UWCSEA Dover campus

UWCSEA

【シンガポールの高校受験】入学手続きの概要について

私は私立の中学校卒業後、8月からシンガポールにある United World College of South East Asia (UWCSEA) に 高校1年生(Grade 10 Foundation IB)として入学した。

日本生まれ日本育ちの私が、なぜ高校から留学を始めたかについては、前の記事「シンガポールでの高校留学を決めた理由」に書いています。

UWCSEAは幼稚園児(Kindergarten 1)から高校3年生(Grade 12)までの全校生徒5,609人が2021年現在は通っている(UWCSEA, n.d.)。高校2年生(G11)から卒業するまでの2年間は国際バカロレア取得期間(International Baccalaureate Diploma Programme, 通称 IBDP)のため、高校3年生からの入学はできない。それ以外の学年であれば、毎年8月から新入生として入学できる。また、日本の中学3年生にあたる(G9)からは入学時の年齢にも融通がきく。(通常は9月1日生まれから翌年の8月31日生まれまでが同学年となる。)

受験のタイムライン (UWCSEA. (n.d.). Admissions resources – UWCSEA application timelines. UWCSEA | International school in Singapore. https://www.uwcsea.edu.sg/admissions/admissions-resources/admissions-timelines)

私の場合、家族がシンガポールに一緒に来て暮らすことは不可能だったため、学校併設の寮(boarding)に住む高校1年生(G10)として入学した。上のタイムラインの表からわかるように、UWCSEAは通常毎年2回の受験期間を設けており、中学3年の2月に申し込みをした私は、後期にあたる Offer Round 2 で受験をした。

入学手続きのアウトライン

UWCSEAに高校1年生、Grade 10 Foundation IB course(国際バカロレア準備コース)への受験をする場合は、以下の5つのステップを踏まないといけない。

  • Step 1: application review(出願審査)
  • Step 2: assessments and interviews(査定と面接)
  • Step 3: allocation of places(入学の割当て)
  • Step 4: offer of a place(合格通知)
  • Step 5: accepting a place(入学の受諾)

Step 1: application review(出願審査)

まず、受験の申込みはUWCSEAのウェブサイトの「Apply または Admissions の making an Application」のページから行う。必要事項の記入以外に、英語表記の出生証明書や中学校の学生証、成績表、表彰、志望動機書の提出も求められた。英語表記の出生証明書は11月にシンガポールを訪れた際に、シンガポールの日本大使館で翻訳してもらった。中学校関連のものは、通っていた塾の英語の先生やグーグル翻訳に手助けしてもらって訳した。

高1の Foundation IB (FIB) コースへ入学するためには、国際バカロレアディプロマプログラム(IBDP)に自信を持って進むことができるレベルの学力と学習への取り組みを証明する成績表や、学校やコミュニティへ積極的に参加している証拠の提出が求められる。また、寮生としての入学を申請する場合、学生寮での生活にふさわしいかどうかの判断も加わってくる。入学条件の詳細は UWCSEA の Entry Citeria のページに書かれている。

出願書類の内容が入学基準を満たしている場合は、12月中に(それ以降に出願した場合はなるべく早くに)査定と面接のための学校招待の連絡が来る。満たしていない場合は、入学事務担当の主事からメールで連絡があり、そこで出願は終了となる。

Step 2: assessments and interviews(査定と面接)

査定と面接は、1月下旬から3月上旬にかけて数日間行われる。出願者は最大11人の他の出願者とともに、数英の試験(必要に応じて他言語も)、グループディスカッションやアクティビティなどをして学校で丸1日過ごす。試験結果は入学合否の判断基準ではなく、科目選択のガイドとして使用される。また、寮生としての入学を希望の場合、入学願書に記入された情報の確認と寮長との面接も行われる。この段階での私の体験談は次の記事に書こうと思う。

査定と面接の結果、12ヶ月間のFIBコースで提供される学習により、IBDPを成功させることができると判断された志願者のうち、学校の入学基準の幅広い側面を満たしていることが証明された者は、入学が割り当てられるかどうかの判断へと移る。入学許可を出すことができないと判断された場合は、入学事務担当の主事からのメールでその旨が知らされ、出願は終了となる。

Step 3: allocation of places(入学の割当て)

通常、適格な志願者数が定員を上回るため、さまざまな選考基準に基づいて入学許可が出される。主な選考基準は、各志願者がUWCのミッションと価値観の理想を実現する可能性があるかどうかで、多様性のバランスを確保するためなどにも基準が適用される。詳細については、Entry Citeria のページ内の Allocation decision に書かれている。

Step 4: offer of a place(合格通知)

寮生を含むFIBの入学許可は3月中旬から通知され、通常4月中旬までに定員が埋まる。入学許可を出せなかった場合は4月末までにその旨が連絡され、1学期開始まで入学許可の可能性の考慮を希望するかどうかが尋ねられる。また、9月の願書受付開始時に、高校2年生(G11)から始まるIBDPへの入学を再申請することもできる。

Step 5: accepting a place(入学の受諾)

志願者全員に公平に対応するため、ここではタイムラインが重要になってくる。
入学許可が出た場合、応募を継続するかどうかを確認するためにメールで連絡があり、2営業日以内の返信が求められる。メールでの確認後、「正式オファー」パッケージが送られ、受諾するためには、承諾確認書、入学金、1学期の費用を返送しないといけない。
いずれかの期間内に返信がない場合、入学許可は失効し他の志願者に席が譲られる。

これらがシンガポール高校受験の際に私が踏んだ5つの段階の大まかな内容。受験に関するUWCSEAからのメールや資料は全て英語で書かれていたため、グーグル翻訳や通っていた英語の塾の先生に翻訳を手伝ってもらいながら理解していたのだが、毎日たくさんの英語での情報処理に追われて、全体像がちゃんと把握できていないまま受験をしていたんだなと、今回この記事を書いて思った。受験のプロセスや合格基準を知っておくことは受験時の自信に繋がるので、時間をかけてしっかり理解しておくことが大事。

次の記事では、Step2のシンガポールでの査定の経験談を書こうと思う。

アイキャッチ画像:UWCSEA. (n.d.). UWCSEA Dover campus – Welcome to UWCSEA Dover. UWCSEA | International school in Singapore. https://www.uwcsea.edu.sg/dover-campus

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コメント

    • 清田眞理子
    • 2022年 12月 27日 1:29pm

    はじめまして。中学1年生の娘を持つ母親です。

    娘に何とか留学させたい、世界を見て、英語を身につけさせたいと思って検索していて、ごまきなこ様のブログを見つけました。

    UWCは世界的に評価されていて良いと聞きますが、学校に通って感じることや、日本の学校との違い、元々進学校にいて勉強ができたのか、どうやったら留学する気になるか、等、教えて頂ければ幸いです。

    娘は中高一貫私立中に通っており、英語教育に力を入れていると聞いていましたが、実際通ってみて、不十分だと感じています。

    お時間があるときで構いません。御多忙中恐縮でございますが、よろしくお願いします。

      • ごまきなこ
      • 2023年 2月 13日 10:05am

      コメントありがとうございます。そして、返信が大変遅くなりすみません。

      私がUWCを知ったのも留学について本格的に考え始めたのも、シンガポールに住んでいた母の友人に「留学に興味あるならシンガポールの学校を見においでよ」と中3の秋に誘われ、3校を見学しにいったことがきっかけでした。なので、私の場合は実際に留学先の学校に行って、自分の通っている日本の中学校とは校舎の規模も充実度も段違いだということを目の当たりにしたのが留学をする気になった一番の理由でしたね。(ちなみにそのときにUWCSEAの見学はしておらず、現地での受験時に初めて訪れました。ただ、その前に東京で開催されたUWCSEAの個別説明会には参加しました。)また、中学校3年目で、授業が板書をする作業に感じたり、勉強も定期試験のためだけにしているように感じ、それが高校に上がっても続くんだとしたらつまらないな、と思い始めていたのも留学を決めた理由の一つです。

      UWCSEAと日本の学校の違いは、まず生徒一人ひとりにラップトップが与えられ、ノートと筆記用具とラップトップが授業時に使うセットであることですね。そして、生徒の発言が授業を進めていくような生徒主体の授業と、レポートやエッセイ、プレゼンといった、授業で得た知識を応用して自分の言葉で表現するという形式の成績評価方法が多いことです。単なる一夜漬けの暗記ではいい成績に繋がらないため、授業内容の深い理解が求められていることを実感しました。そして、自主的に勉強することも増え、勉強自体も興味のある分野なら特に面白く感じるようになったと思います。また、クラスメートは授業によって変わるのですが、どれも20人以下の少人数で行われるため、先生が生徒一人ひとりのことを知る機会も1クラス50人ほどいた私の中学校よりは確実にあるなと感じました。

      当時は私も「進学校」と言われる私立の中高一貫校に通っており、勉強もできるほうではあったと思います。実際、UWCで受けた数学の試験結果では3つのうち1番レベルの高いクラスに振り分けられていたので、日本の中学校で数学の成績がよい場合はシンガポールでもかなり上位に入るんだと思います。ただ、私のUWC入学時の英語力の足りなさは歴然で、中学では1年生の頃から教科の中で英語がかなり得意だったり、英会話教室にも毎週通ったり、中3の冬からは英文読解の塾に通ったり、オンライン英会話を毎日したりしても、UWCで話されていた英語は半分以上がわからないような状態でした。それでも、常に英語の環境下で生活する中で、UWCSEAの先生やルームメイト、クラスメートにサポートをしてもらえたおかげで、英語力は半年くらいで急激に伸びたような感じだったと思います。

      またご質問等ありましたら、お気軽にコメントください。

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