シンガポールは東南アジアにある国で、日本からは飛行機で約7時間かかる。
私はシンガポールにある United World College of South East Asia (UWCSEA) というインターナショナルスクールで高校3年間を過ごした。
日本の市立の小学校、私立の中学校に通っていたため、海外経験も全て英語でのコミュニケーションもそれまでは経験したことがなかった。
そんな私が、なぜ急に高校留学を、また留学先としてシンガポールを選んだかについてを、この記事に書こうと思う。
まず、私が留学を決めた主な理由は
- 留学に興味があった
- 将来何がしたいかわからなかった
- 周りからの影響
の3つで、それぞれ時系列に沿って話していこうと思う。
まず、小学校高学年の頃にNHKで放送されていたニコロデオンの海外ドラマ(iCarly(アイ・カーリー)、Victorious (ビクトリアス)など)にハマってから、英語や海外の暮らしに対する憧れがあった。でもこの時は「いつか海外で英語を話しながら生活してみたいな」と漠然と思っていただけで、中学受験をして市内の中高一貫校に入学した。
新しい友達との出会いや、初めての部活動、本格的な英語の授業など、今までとは違った新しい生活に中学1年生のときはワクワクしていたのを覚えている。本当にいい友達に恵まれて部活動も楽しくて、「このままみんなと高校に上がるんだろうな」と中3の夏休みまでは思っていた。ただ、始めは新鮮だった中学校生活も2年経てば慣れるし、似たような毎日の繰り返しになってきて、
「将来の夢も特にないけど、いい就職先に務めるためにはいい大学に行かないといけない。でも将来何がしたいかわからないから、大学で何を勉強すればいいかもわからない。まだ大学受験まで3年はあるけど、今と同じような生活を続けていたら、いくら時間があっても結局何がしたいかわからないままだろうな」という不安や疑問を多少なりとも抱いていた。
中学3年生の秋、シンガポールに住んでいる母の知人から「こっちの高校の教育水準はすごく高いし、治安もいいし、見学がてら遊びに来てみたら?」という連絡が入った。学校を休むのには少々の抵抗があったが、テスト期間でもなかったし、連絡をくれた母の知人が案内と通訳をしてくれるとのことだったので、彼女のスケジュールも確認しつつ、11月上旬に中学校を4日間休んで人生初の海外に行った。
シンガポールは常夏で11月は雨季だったが、日本の蒸し暑い夏よりもだいぶ過ごしやすい気候だった。
見学しに行ったのは Australian International School、Canadian International School、 Overseas Family School の3校で、迷路かと思うほどの広い敷地、教育のために完璧に整えられた環境と設備、学校の説明と案内をしてくれる人の英語に、私はただただ圧倒された。また、留学するとなった場合、私の家族が一緒に来て住むことは無理だったため、私のシンガポール滞在中のガーディアン(保護者)となってくれる人、またその人の管理している個人寮のようなところにも、母の知人が案内してくれた。そのガーディアンになってくれる人はフレンドリーで好印象だったが、母の知人によると「生活費に加え学校の授業についていくための教材など、どんどん後からお金を請求してくる可能性がある」とのことで、あまり気は進まなかった。
日本では感じることができなかったシンガポールの高校の魅力と、留学をすることの大変さを思い知りながら帰国した私は、「高校留学は魅力的だしワクワクするけど現実的じゃないな」と思っていた。
思っていたのだが、翌日中学校に行くとシンガポールに行っていたことが知られており、それから毎日のように「シンガポールに行くの?」と聞かれるわ「シンガポール」と呼ばれるわで、段々と「そんなに言ってくるならもうシンガポールに行ってやろうか」という思いが強くなっていった。
そんな中、シンガポールの母の知人から「こないだ見た3校以外に UWCSEA という学校もあって、ここは国連とも関係があるらしいから学費が安いかもしれない(実際には関係なく学費も他校と同じくらいだったが)」と連絡があり、「2月に東京でその学校の説明会があるから行ってみるといい」と言われた。今回は母の知人の英語の助けもなかったため、予め質問事項を紙に書いて行きなんとか意思疎通を図ったのだが、とにかく言われたことは「オンラインで入学の申込みをすぐにして」ということだった。そして、一番心配していたシンガポールで私のガーディアンになってくれる人については「私達がなるから心配いらない」とのことだった。また、「学校の敷地内に寮があるから生活はそこでできる」と。
その言葉を信じて、その日の夜に早速オンラインで申し込みを始めた。高校受験を考えている旨を通っていた中学校に伝えると、「受験するならエスカレーター式で高校に入ることはできない」と言われた。それに加え、シンガポールへの留学なんて私が通っていた中学校では前例がなかったため、先生からのアドバイスも聞けるはずがなく、全て自分で手探りで進めていくしかなかった。高校への内部進学をしないことを中学校へ伝えた時点では、シンガポールの高校へ通えるかどうか全く決まっていなかったが、留学すると決心してしまった私は中3最後の期末テストも休んで受験のためにシンガポールへ行った。自分の英語力のなさを思い知りながらも英語でのコミュニケーションを諦めなかった結果合格した私は、中学校卒業後、8月からシンガポールの UWCSEA で高校留学を始めたのだった。
受験の内容についてはまた次の記事で書こうと思う。
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